海外旅行の前に外貨を用意する方法のひとつが、ネットで申し込んで自宅まで届く「外貨宅配」。ただ、いざ選ぼうとすると「そもそも宅配ってどうなの?どのサービスがいいの?」と迷いますよね。結論から言うと、出発まで数日の余裕があるなら、宅配は「並ばず・そこそこ良いレートで・確実に」現地通貨をそろえられる便利な選択肢です。ここでは主要な宅配サービスを取扱通貨・最低額・送料・受取方法・レート水準といった軸で横断比較し、目的別の選び方を、正直な短所もふくめて整理します。
01DELIVERY
外貨宅配って、そもそもどれを選べばいい?
外貨宅配は、その名の通り注文した外貨を自宅などへ郵送してくれるサービスです。近年はキャッシュレスが進んだとはいえ、タクシーや小さな飲食店、日本のSuica的な交通カードのチャージなど、現地では現金がまだ必要な場面が多く、いくらかは現金を用意して出発するのが無難。その用意を、家にいながら済ませられるのが宅配です。
どのサービスも、おおまかな流れは共通しています。
- ① ネットで申し込む。 必要な通貨・金額と、届け先を入力します。
- ② 支払う。 基本は銀行振込か代金引換。クレジットカードは使えないことが多いです(Travelexのみ一部カード対応)。
- ③ 郵送で受け取る。 書留や代引きで届くので、配達時間帯の指定や、最寄りのゆうゆう窓口での受け取りもできます。
向き・不向きははっきりしています。空港で両替の列に並ばずに済み、出発前に準備を終えられるのが最大の利点。いっぽうで事前の申し込みと郵送の日数が必要なので、「今日の午後の便までに」というような直前組には向きません。出発まで数日の余裕がある人のための手段、と考えておくと迷いません。
※ 各社の締切時刻・送料・最低額・対応通貨数・支払方法などは変わることがあります。数値は調査時点の目安なので、申し込み前に各社公式で最新をご確認ください。
02HOW TO COMPARE
どこで差がつく?比較する6つの軸
宅配サービスは「どれも同じ」ではなく、次の軸で性格が分かれます。自分の旅行に効く軸から見ると、選びやすくなります。
- 取扱通貨の数。 ドル・ユーロだけなら各社そろっていますが、マイナー通貨まで確実に用意したいなら通貨数の多さが効きます。
- 最低両替額。 多くの社は3万円から。数千円〜1万円台だけ換えたい人は、下限のないサービスが必要です。
- 送料。 数百円〜千円弱。金額が小さいほど送料の割高感が出ます(各社とも高額注文で無料になる設定があります)。
- 出荷の速さ・締切。 平日の何時までに入金すれば、いつ発送されるか。出発日から逆算して効いてきます。
- 受取方法・支払方法。 書留か代引きか、振込かカードか。ここは各社おおむね似ていますが、クレジットカードの可否が分かれ目です。
- レート水準。 表示レートには手数料(スプレッド)が乗っています。ここは数字で見たいところですが、後述のとおりライブで出せる社と出せない社があります。
この6つを主要3社で並べたのが、次の比較表です。
03LINEUP
主要3社の位置づけ(横断比較)
パンデミックの影響で、宅配の外貨両替はかなりの事業者が撤退しました(ゆうちょの「トラベル with You」、三井住友銀行、JTB、LINE Pay の外貨両替などは、いずれも当時終了しています)。いま残って主力になっているのは、古くから両替を手がけてきた外貨両替ドルユーロ・Travelex・J-marketの3社です。まず全体像を、6つの軸のうち数字で示せるものから並べます。
| サービス | 取扱通貨 | 最低両替額 | 送料(税込・目安) | 出荷の速さ | レート水準 |
|---|---|---|---|---|---|
| 外貨両替ドルユーロ | 17通貨 | 3万円〜 | 400円〜 | 最短 当日〜翌営業日(平日11時締切) | 下のライブ表で目安 |
| Travelex(トラベレックス) | 31通貨 | 3万円〜 | 990円〜 | 2営業日以内(14時締切) | 機構でライブ算出できず(公式で要確認) |
| J-market | 17通貨 | 下限なし | 950円 | 3営業日以内(15時締切) | 機構でライブ算出できず(公式で要確認) |
取扱通貨数・最低額・送料・締切は目安で、各社公式で変わることがあります。レート水準は、機構でライブに算出できるのが外貨両替ドルユーロ(doru.jp)だけのため、他社は数値を載せず「公式で要確認」としています(他社の当時レートを推測で書くことはしません)。
表だけだと迷うので、目的別の選び方に落とすと、だいたいこの3択です。
- まず基準にするなら → 外貨両替ドルユーロ。 レート水準が良いことが多く、出荷も最短クラス。「特にこだわりがなければ、まずここ」という位置づけです。
- マイナー通貨を確実にそろえたいなら → Travelex。 取扱通貨が幅広く(約31通貨)、空港や国によっては現地で両替できない珍しい通貨も、事前に用意できます。
- 3万円以下の少額だけ換えたいなら → J-market。 最低注文額の下限がなく、紙幣1枚から対応。少額のちょい足しに向きます。
※ かつては成田空港の両替店GPAも外貨宅配を扱っていましたが、当時サービスを停止していました(GPAは空港の店舗型として営業。詳しくは後述の関連記事へ)。再開状況は公式でご確認ください。
04RATES
レート水準の目安は?(ドルユーロで見る)
「で、レートはどこが良いの?」——ここが一番知りたいところだと思います。ただ正直に言うと、当サイトのレート機構でライブに水準を出せる宅配は、いまのところ外貨両替ドルユーロだけです。Travelex・J-market は宅配レートのライブ取得ができないため、推測で数値を書くことはしません(各社公式のレート確認ページでどうぞ)。そのかわり、基準になるドルユーロの水準を、機構のライブレートから示します。
- 米ドルUSD安い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 USD =165.93円為替市場 実勢1 USD =162.80円+1.9%市場より高い(1万円で約189円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約603ドル市場レートと比べると約1,890円分の損
- ユーロEUR安い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 EUR =189.62円為替市場 実勢1 EUR =185.67円+2.1%市場より高い(1万円で約209円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約527ユーロ市場レートと比べると約2,090円分の損
- 韓国ウォンKRW良い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 KRW =0.1080円為替市場 実勢1 KRW =0.1046円+3.3%市場より高い(1万円で約322円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約926,000ウォン市場レートと比べると約3,220円分の損
- 台湾ドルTWD良い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 TWD =5.29円為替市場 実勢1 TWD =5.11円+3.6%市場より高い(1万円で約345円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約18,900台湾ドル市場レートと比べると約3,450円分の損
- 香港ドルHKD良い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 HKD =21.53円為替市場 実勢1 HKD =20.75円+3.7%市場より高い(1万円で約360円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約4,640香港ドル市場レートと比べると約3,600円分の損
- 中国元CNY安い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 CNY =24.43円為替市場 実勢1 CNY =23.96円+1.9%市場より高い(1万円で約191円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約4,090元市場レートと比べると約1,910円分の損
- タイバーツTHB良い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 THB =5.12円為替市場 実勢1 THB =4.89円+4.8%市場より高い(1万円で約454円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約19,500バーツ市場レートと比べると約4,540円分の損
- シンガポールドルSGD安い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 SGD =129.35円為替市場 実勢1 SGD =125.58円+3.0%市場より高い(1万円で約291円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約773Sドル市場レートと比べると約2,910円分の損
- マレーシアリンギットMYRいまいち外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 MYR =42.58円為替市場 実勢1 MYR =39.78円+7.1%市場より高い(1万円で約659円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約2,350リンギ市場レートと比べると約6,590円分の損
- フィリピンペソPHP良い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 PHP =2.77円為替市場 実勢1 PHP =2.64円+4.7%市場より高い(1万円で約450円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約36,100ペソ市場レートと比べると約4,500円分の損
- 英ポンドGBP良い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 GBP =224.62円為替市場 実勢1 GBP =215.48円+4.2%市場より高い(1万円で約407円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約445ポンド市場レートと比べると約4,070円分の損
- スイスフランCHF良い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 CHF =207.66円為替市場 実勢1 CHF =201.11円+3.3%市場より高い(1万円で約316円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約482フラン市場レートと比べると約3,160円分の損
- 豪ドルAUD良い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 AUD =116.61円為替市場 実勢1 AUD =112.17円+4.0%市場より高い(1万円で約380円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約858豪ドル市場レートと比べると約3,800円分の損
- NZドルNZD良い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 NZD =95.86円為替市場 実勢1 NZD =92.28円+3.9%市場より高い(1万円で約373円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約1,040NZドル市場レートと比べると約3,730円分の損
- カナダドルCAD良い外貨両替ドルユーロ 店頭レート1 CAD =118.99円為替市場 実勢1 CAD =114.50円+3.9%市場より高い(1万円で約377円)この店で 10万円 を両替すると受け取れる外貨現金は約840カナダドル市場レートと比べると約3,770円分の損
外貨両替ドルユーロ(doru.jp)の2026年4月19日時点のレートから算出した、10万円あたりの手数料の目安。レートは毎日更新され、日々変動します。手数料・受取額はあくまで目安です。
手数料の目安 ドルユーロ・PER ¥100,000
1,886円〜
たとえば米ドルなら、10万円の両替で手数料はおよそ1,886円。いっぽう手数料が高めの通貨(マレーシアリンギットなど)だと約6,587円まで上がります。同じ10万円でも通貨で数倍のひらき——これが宅配1社ぶんの「水準感」です(2026年4月19日時点のライブ算出)。
宅配同士のレートの傾向は、筆者が見てきた範囲だとこんな感じです(あくまで一般的な傾向で、確認日つきの目安)。米ドル・ユーロ・スイスフランのような主要通貨は、どの宅配でも水準が近いです。差が出やすいのはそれ以外の通貨で、平均するとドルユーロが良い傾向。Travelexは通貨数の多さが魅力なぶん、レートはドルユーロよりやや控えめな場面もあります。J-marketは少額対応が持ち味です。
どこが一番お得?(空港別のレート比較)
05PROS & CONS
宅配のメリットと、正直な注意点
どの社を選ぶにせよ、宅配という手段そのものの良い点と、知っておきたい短所は共通しています。褒めるだけでなく、両方を対で並べます。
良い点
- 出発前に、自宅で現地通貨をそろえておける(当日ばたばたせず、並ばない)
- 在庫切れや営業時間外で「両替できなかった」というトラブルを避けられる
- マイナー通貨でも、事前に確実に用意しておける(Travelexは特に通貨数が多い)
- 空港の店頭より、レート水準が良いことが多い(特にドル・ユーロ以外)
微妙な点
- 受け取りまで郵送の日数がかかる。今日この場で現金が要る人には向かない
- 事前に用意する分、当日の持ち忘れに注意(メリットの裏返し)
- 送料が別途かかる(一番安いドルユーロでも400円〜/各社とも10万円以上で無料の設定あり)
- 最低注文額がある社が多い(ドルユーロ・Travelexは3万円〜/少額はJ-marketが下限なし)
- 支払いは銀行振込か代金引換が中心で、クレジットカードは使えないことが多い
とくに大きいのは、出発前に両替を終わらせておけるという安心感です。海外旅行の当日は、なんだかんだでばたばたするもの。国内の空港両替店はパンデミックで数が減り、成田の出国ピークのように窓口が行列になる時間帯もあります。事前に受け取っておけば、そうしたトラブルとは無縁です。
いっぽうで、「今すぐ・少額だけ・1円でも安く」が最優先の人には、宅配は向きません。郵送の日数がかかり、送料も乗り、最低額のある社も多いからです。逆に、数万円を、出発まで余裕をもって用意するなら、宅配の手軽さがぐっと効いてきます。
06VS AIRPORT
空港両替とは、どう使い分ける?
最後に、その場で換えられる空港両替との使い分けです。宅配の良し悪しは、この対比で見るとはっきりします。
- 当日のトラブル率は、宅配のほうが低い。 空港両替は当日でも対応できますが、ピーク時の混雑で搭乗時刻に間に合わない、マイナー通貨の在庫がない、現地の空港が営業時間外——といったリスクがあります。事前に受け取れる宅配は、きちんと届いてさえいれば、そもそもトラブルが起きません。
- 直前の用意ができるのは、空港両替。 これはメリットの裏返し。出発まで時間がないなら、宅配は間に合わないので、空港で換えるしかありません。
- レートは通貨や空港で変わるが、平均すると宅配が悪くないことが多い。 空港店頭のレートは通貨によって当たり外れがあり、現地の空港も国によってまちまちです。どの空港・通貨でどこが得かは各空港の両替ガイド(EX)で比較しているので、そちらを目安に。宅配は「並ばず事前に用意できる」手段として、平均的には使い勝手が良い、という位置づけです。
つまり、「時間があるなら宅配、直前なら空港」が基本線。そのうえで「じゃあこの空港では、結局どの店・どの方法が一番得か」という一歩踏み込んだ判断は、空港ごとの事情になるので、各空港の両替ガイドにまとめています。
単体の詳しい話は、それぞれの記事で
07WRAP-UP
さいごに:宅配の外貨両替はこう選ぶ
外貨宅配は、事前に、並ばず、そこそこ良いレートで現地通貨をそろえられる、心強い準備手段でした。迷ったときは、ざっくりこう覚えておくと選べます。
- 特にこだわりがなく、基準がほしいなら → 外貨両替ドルユーロ。レート水準がよく、出荷も速い。
- 珍しい通貨を確実に用意したいなら → Travelex(取扱通貨が幅広め)。
- 3万円以下の少額だけなら → J-market(最低額の下限なし)。
- 今すぐ・直前なら → 宅配は間に合わないので、空港両替を。
- どの空港で・どの通貨を・どこで換えるのが一番お得か → 各空港の両替ガイド(EX)で、店を比べた結論を確認してください。
注意したいのは、日数の余裕と、支払いが銀行振込中心なこと。この2点さえ押さえておけば、宅配は旅の準備をぐっと楽にしてくれます。まずは基準の1社から、という方は、下のクーポンつきの外貨両替ドルユーロから見てみてください。
皆様の海外旅行が、気持ちよく始まりますように。
